10月31日(土)〜11月1日(日)

福島県双葉郡楢葉町”天神岬キャンプ場”にて




北のサムライの背中(画像提供:ともさん)



 
ヨークベニマル富岡店前
 今シーズンは正式なEOCって、実は一度も開催してなかった。個人的にmacさんご夫妻やいちさんとかNagaさんたちと、多少キャンプしていた程度である。今回は気合いを入れて2009年のEOCの有終の美を飾りたかった。

 9時に拙宅を出撃し、東北道・磐越道・常磐道と乗り継ぎ、富岡町まで辿り着いたら、時間はすでに昼近くなっていた。
 家から天神岬まで約180キロも走ってしまう。たいへんな遠まわりとなった。でもETCの週末割引だからよし。

 天気は曇りがちだが大きく崩れることはないだろう。実は高校時代から利用している懐かしい天神岬へR6から左折し、サイクリングターミナルへマシンを停めた。当時は天神岬温泉は存在せず公園のみだった。そして、いつの間にかキャンプ場が出来ていて、個人的に利用しているうちにすっかり気に入り、2005年より福島EOC会場として使用させてもらっている経緯がある。今回はEOC史上空前の20名近い参戦者が予想されるので、事前に3区画ほど予約しておいた。

 受付を済ませ、サイト横の道路脇のスペースへ愛機を乗り入れた。ちなみにサイトの中への乗り入れは禁止されている。いつもの東屋付近に荷物をおろして一服していると、
「どうも、キタノさん。那須以来ですね」
 macさん夫妻は、いつものように施設併設のレストランで食事をされていたそうだ。
『こんにちは。今回は大人数になりますが、よろしくお願いします』

 挨拶もそこそこにテント設営開始。もう季節は晩秋なので、テントはトレイルトリッパー2ではなくエアライズ2にした。ほんとはトレイルを張るのが面倒臭かったという噂もある?
 macさん夫妻とさっそく料理の仕込みに入った。おふたりは恒例の”芋煮”の準備に取りかかった。macさんとyukoさんの作る芋煮は本当に美味しい。醤油味がベースの汁は山形風である。とにかく一度食べたら、やみつきになるほど本格的なものだ。

 仕込みの手際の良さも熟練の技を感じさせる見事なリズムであった。あっという間に仕込みが終わってしまう。さすがは総料理長!
 
本格的な芋煮
   俺も本気で料理をしよう。ところがじゃがいもの皮を剥こうとしてもアーミーナイフでは、ぜんぜん切れない。見かねたmacさんが包丁を貸してくれたのでどうにかなった。というより、ほとんどmacさん夫妻の手を借りて出来上がったのが、キタノ特製ビーフシチューである。しかし、俺の不器用はいつになったら克服されるのだろう?キタノの料理下手を如実に示したエピソードである。 
 夕暮れになると続々と参戦者の皆様が到着し始めた。

「お久しぶり」
「初めまして」
「ご無沙汰してました」

 東屋周辺は俄かに活況を呈す。サイトは数多くのテントで埋め尽くされ、さながらテント村と化していった。まさしく大規模オフキャンプの幕があがった。 
 

ちんさん 
 9月に”あだたら野営場”をベースに一緒にキャンプツーリングをさせてもらった二輪便利帳のちんさんと我が姫emiさんも到着。ところが、ちんさんは、明日、仕事が入りキャンプは断念するとのこと。ここまで来て、それは残念。しかし、福島の天神岬までemiさんをナビゲートし、また東京へ引き返すタフさは流石としかいいようがない。どうか帰路もお気をつけて。また一緒にキャンプできる日を楽しみにしています。 








 さて今宵の参戦者の皆様は、川崎のTAKAさん、サクラさん。横浜のhirokiさんご夫妻。我が姫ことemiさん。仙台のミッキーさんとお友達のsj45aさん。埼玉の小坊主さん。EOCオールスターズでは、macさんご夫妻、厚木のともさん。都内のローホーさん。藤沢のイトウさん。千葉のやまちゃん。同じくくっしーさん。都内のNagaさんと埼玉のいちさん。そして首謀者キタノという全部で18人という過去最大規模のEOCとなった。  
和解成立?
   EOCは、ある意味アウトドア料理の祭典ともいえる。ほとんどプロ級の方が幾人も存在するのだ。

 粉系のスペシャリストNagaさんは、たこ焼やお好み焼きをひたすら焼いていた。これが本当に美味しいんだなあ。なにを隠そう、Nagaさんは、たこ焼きの本場の生まれだったりするのだ。
   
  くっしーさん作のスタッフドチキン。どうですか、この完成度。これが、ライダーのキャンプ会のメニューなんです。隼にダッチオーブンを積んでくるキャンパーって日本初、いや世界初かも知れない。尚、彼は3年前にEOCでキャンプデビューされたのだが、この急成長ぶりは白眉としかいいようがない。既に申し分のない熟練キャンパーである。ただ、俺は食べたんだっけ?まったく覚えてません?くっしーさん、この次も美味しいスタッフドチキンを作ってください。
 「よし、俺も料理をするか!」
 ともさんが、気合いを入れて立ち上がる。彼も相当ヨッパになっているが、頑張って包丁をふるっていた。出来上がったピーマン肉詰め、優しい家庭の味がした。ともさんもここ数年で、いろいろと劇的な展開を見せている。待望の娘さんが出来て、ご自宅も新築したりと。すっかり父親ぶりが板につき、作る料理もなんだか繊細な気配りが濃厚に感じられた。時代は確実に、そして足早に通り過ぎていく。俺とともさん夫妻が、カミフの道楽館で偶然出会ったことが、ずいぶん昔の出来事のように感じる。美味しくいただきました。
 
   横浜のhirokiさんが、鰻の蒲焼き投入。ついにEOCに鰻が登場しました。なんとリッチなオフキャンプなんだろう。 

 いや、個人的に鰻のような高級品、年に一度食べれるかどうかなぐらいのもんなんで、感動してしまった。キャンプで鰻にありつけるなどラッキーなことである。
 イトウさんより、旭川の馬場ホルモン。これは俺の大好物なんだが、本州ではなかなか手に入らない逸品である。EOCで食べれるなんて奇跡的なことだ、凄い。こりこりとした食感がなんともいえない。その他、ローホーさんのフレッシュ野菜始め、皆さんの心のこもった料理や過分な差し入れで、すっかり満腹となった。  
   その後、macさんに用意していただいた焚火を囲みながら終始なごやかな話題で宴は続いていった。EOCって、キャンプツーリング、酒、交流の3つだけで集結した、非常にわかりやすい旅系の世界なのだ。まったく違う仕事、環境の中でも、日々、奮闘されている旅人が一堂に会する。

 共通項は、北海道ツーリングのみ。







 で、結局、北のサムライはいつものように安らかに撃沈しちまいました。

 すいませ〜ん。

 姫に介護されていたそうだが、まったく復活する兆しなし。諸悪の根源キタノ、大方の予想を裏切ることなく、いつものように完全KO!

 テントへ強制収容。なんで毎回こうなるのだろう?関係の皆様、大変ご迷惑をおかけしました。深夜に復活劇もあったようだが、すぐに自沈したみたい?覚えてないけど。

 家臣のNagaさんも直後に撃沈!本当にいつもながら、つき合いのいい人であった。まさに一蓮托生な関係だと思う(爆)

 キタノ滅亡後も元気な方々は夜明け近くまで、あつーく語り合ったそうな。なによりでした。 
 払暁・・・

 早出するやまちゃんと、なにやら怪しい密談を交わしていた。
『やまちゃん、ホットサンド焼くから喰っていけ』
 そんな会話をしていたようだ。

 しかし、やまちゃんとのつき合いも古くなった。2005年のEOC美流渡に現れた、あのテントなしライダーである。底抜けに陽気な人物なのだが、近頃、なんだか元気がない?
 
  「おはようございます」
 このあたりから、皆さん、三々五々とテントから出てきた。

 macさんは、昨夜の芋煮の残り汁にカレー粉とうどんを投入し、いつものように絶品カレーうどんを仕上げ、皆さんへお配りしていた。

 もちろん大好評であった。 
 Nagaさんは、早朝からテンション高めにお好み焼きやら、ホットケーキを焼きまくる。彼も粉系にはこだわりがあった。

 那須キャンプの時にもご馳走になったのだが、ふんわりとしてとても美味しい。普段、ホットケーキを食べる機会がないものだから、何気に懐かしい味だ。
 
   参戦者にひもじい思いをさせたら、EOCの恥。

 北のサムライもハムマヨ仕立てのホットサンドを怒涛の勢いで、次々と狂ったように仕上げていった。
「キタノさんのホットサンド、悔しいけど美味しい」
 そんな声も多少あがったらしい。

 けど、キタノ自身は食べていない。
 実は今まで使用してきたトラメジーノではキャンプツーリングにはちと重いので、この日のために軽量のホットサンドクッカーを新調していたのだ。使い具合が非常によいと確信した。これからは旅の供にするつもりだ。

 アウトドア料理もここまで徹底的にやれば、1泊2食付きの豪華絢爛のEOCは、もはや伝説となったに相違あるまい。

 しかし、この料理に対する異様なエネルギーはなんなのだろう?少しは仕事の方へも使えという意見もある?

 すっかり、ハマってしまった。

 過剰接待?自分が食べるより、人に食べてもらって喜んでいただける快感というやつ?

 というより、キャンプツーリングの装備で、軽くファミキャンを凌駕してしまうのがEOCオートの真骨頂である。 
   
 画像は、横浜のhirokiさんと奥様。実は自分の母校のお近くにお住いでした。

 近くに来ることがあったら連絡してください。キタノさんの学生時代のいきつけの居酒屋で一杯やりましょうとお誘いいただきました。本当に気さくなおふたりでした。ありがとうございます。

 その折はよろしくお願いします。







 つーことで、なんも脈絡もないけど、大好きなともさんへ久々にハグ。流石、EOC(エロオヤジキャンプ)?ともさんも喜んでおりました(注:モーホーではございません)

 3年ぶりか?(爆)
 昨年まで、仙台在住だった小坊主さんは、いつの間にか埼玉にUターンされていたそうです。仙台に未練が・・・

 ただ、ご両親は郡山にお住まいなので、福島に来られる機会は結構あるみたいです。ハンドルネームから、ご実家はお寺さんかなと思っていたのだが、そうではないそうだ。 
 
   この画像はサクラさん?マイペースで飄々とされたお人柄はとても爽やかな印象が残っております。同じカワサキ乗りとして故障を恐れず奮闘しましょう。

 EOCはいかがでしたか?またいらしてみてください。野外料理の神髄をお楽しみに!
  TAKAさんも出撃。タンデムお気をつけて。本当に明るいお人柄なのですが、5年ぐらい前に”永久ライダーの軌跡”をご覧になって、ツーリングライダーデビューされたようです。

 くれぐれも北のサムライの真似をされてはいけませんよ。彼も奇遇ながら、俺の学生時代のアパートのすぐ近くにお住いである。あの商店街が懐かしい。
 
   画像は、くっしーさん。前述したように重いダッチオーブン鍋を世界最速マシン隼に積んで千葉からEOCにやってくるライダー。9月の安達太良キャンプの時もご馳走になった。

 しかし、二輪のキャンプ会でスタッフドチキンを食べれるなんて、EOCも豪華になったものだ。すべて、くっしーさんのお陰です。ありがとうございました。
  姫ことemiさんも出撃。

 キタノはオフキャンプで、あまりにもお世話になりすぎて、まったく頭があがらなくなり家来にしてもらいました(笑)

 ただ、便利帳のちんさん直伝の彼女の走りは正直鋭い。このキタノの爺もついていけないことがある。

 道中、お気をつけて。
 
   
 ローホーさんも準備完了。32年前のテントを投入されるとは流石です。その手入れと物持ちのよさは、本当に凄いと思った。昨日も夕暮れまで林道やグルメツーリングを楽しんでおられたそうな。そして、これからまた林道へ突入した後、ご帰還される。そのタフさはEOCではロストさんと双璧といえる。昔は、このあたりに熊がいなかったのですが、昨今は普通に出没しますのでお気をつけて。
   EOC会場も歯が欠けていくように人がいなくなり寂しいのお・・・

 と、キャンプ場横のソクトクリーム屋のアイスをほおばりながらキタノは呟く。昔から意外に美味しかったりするここのソフト。

 天気は抜けるような青空で、気温も上昇し暑いぐらいの陽気となった。俺は山用のフリースを脱ぎ、Tシャツ姿となった。その姿をう後ろからパチリ。ともさんが撮影してくれた。それが冒頭の旅シャツである。
 ついに総料理長のmacさんご夫妻も出撃。今回も大変お世話になりました。

 あと電気式のランタンも手配していただきありがとうございます。これからの旅で存分に使わせていただきます。

 美味しい芋煮やカレーうどん、ご馳走さまでした。
 
   そしてハムは残った・・・

 シルバーウィークの安達太良キャンプではいろいろあったけど、今回はキタノハムもちょっぴり面目躍如・・・かな(笑)

 ちなみに安達太良の時のハムの方が数倍は高級ハムだった?
 ともさんも出撃。画像をたくさん頂戴し、ありがとうございました。ヨーコさんやななちゃんにもよろしくね!

 俺は、なんも取り柄がない野郎なんで、参戦者の方々への見送りだけはしっかりと済ませたかった。

 皆さん、またEOCへいらしてください。特に天神岬がうちの近所というわけではありませんが、以前、仕事の関係でこのあたりに住んでいたことがありました。
 
hirokiさんご夫妻と
 楢葉は東北といえども気候が温暖で、蜜柑もとれるし、一年中バイクにも乗れる理想郷だ。また記念すべき第1回福島EOCの発祥の地がここである。北海道のEOC以外では、すべてはここから始まった。つまり、EOCの聖地として感慨深い。

 残ったいちさん、Nagaさんと3人で徹底的にしおかぜ荘の温泉につかり、ふにゃふにゃになった。

 最後まで、おつき合いいただいたおふたりに深謝し、天神岬から完全撤退。

 いやあ〜、EOCって本当に痛快至極なキャンプ会だなあと帰宅してからも改めて思いながら一杯やっていると・・・

 お風呂セット、しおかぜ荘に完全に忘れてきたことに気づいた。




FIN



記事 北野一機



2010.3.6UP



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画像提供:ともさん、ミッキーさん