5月22日(土)〜23日(日)

福島県双葉郡楢葉町”天神岬キャンプ場”にて




天神岬キャンプ場のいつもの位置にて



 5月22日〜23日にかけて福島県双葉郡楢葉町の天神岬キャンプ場にて春のEOC(永久ライダー・オフ・キャンプ)が開催されました。
   参戦者は、macさん、いちさん、Nagaさん、ミッキくん、hirokiさんご夫妻、ローホーさん、おとう、たむりんさん、サトさん、キタノ、日帰り組は、くっしーさんとお連れ様。総勢13名とほどよい規模のキャンプミーティングとなった。
 荷物を取捨選択し、できる限り絞り込んだつもりなのだが、やはり過積載気味となってしまう。まあ、しゃあねえかと自宅を10:30頃に出撃した。
 四倉付近のPAにて→

 3つの高速道を乗り継ぎ、いわき四倉ICで下道に降りた。どうもETCがあると高速に頼ってしまう。阿武隈高原を直線的に走れば時間的にそうは変わらないのだが。
 
 四倉の有名なお魚屋さんで、今宵の宴の肴を調達する。蟹とメヒカリ(常磐沖と北海道の一部でしか獲れない)をセレクトした。

「キタノさん、今、どこよ」
 Nagaさんから、携帯に連絡が入った。
『今、いわきの四倉。あと30分ぐらいでキャンプ場へ到着できると思うよ』
「もう、macさんといちさんとオレは天神岬に着いたよ。今、レストランで飯を食べているところ。待ってるねえ」
 時間は13時前だ。ずいぶん早いんだねえなんて思いながらR6を北上していく北のサムライの姿あり。

 楢葉サイクリングターミナルへ到着。さっそくいつもの1番サイト近くへ行ってみると、恰幅のよいライダーさんから挨拶された。
「キタノさんですか。たむりんと申します。よろしくお願いします」
 メールで、参戦表明を頂戴した埼玉の方でした。かなり早い時間帯においでになられていたみたいである。お待たせして失礼いたしました。
『キタノです。こちらこそよろしくお願いします。東屋付近なら、どこでもテントを立ててOKです』
 と、お伝えして、管理棟へ受付をしに向かった。支払いを済ませたついでに横のレストランで、ささっと食事を済ませてサイトに戻る。

「キタノさん、どうも。Nagaさんやいちさんは買い出しに行きましたよ」
『こんにちは。よろしくお願いします』
 macさんは、先日の北陸ツー以来、体調を崩されており、なんとか持ち直してきたところらしい。本調子じゃない中、参戦いただき、申しわけありません。

「どうも」
 と、いちさんとNagaさんも帰ってきた。このあたりから続々と参戦の皆様がやってきた。

 テントがあっという間に立ち並び、皆さん、料理の準備に専念し始める。EOCはキャンプ会というよりも楽しい料理会となりつつある。
   横浜のhirokiさんご夫妻。初参戦の仙台のサトさん。東京方面のローホーさんは相変わらず途中で林道を楽しんで来られたそうだ。はるばる名古屋からはミッキくんも参上してくれた。
  昨今はNagaさんに遠く及ばないけど、筆者の撃沈を想定してるEOC古参の諸氏からは、
「キタノさん、早くテント張っちゃいなよ」
 と、しきりに促される。

 macさんとNagaさんは凄い集中力で料理に専念していた。おふたりの料理に賭ける情熱はハンパじゃない。

 でも時折、またしてもキタノさん早くテント張れコールが・・・

 なんだか面倒くさいなあ。また、いちさんのテントに泊めてもらおうかしら?

 というのは冗談です。ビールを飲みながらR-325をあっという間に立てた。いちさんに手伝ってもらったけど。
 なんて、騒いでいると意外な人物が・・・

『あれ〜?』
 おとうだ!おとうがEOCにやって来た。
「おとう、EOCみたいな下品な飲み会には来ないんじゃなかったの?」
 Nagaさんが、不思議そうに呟いていた。
 
 ちょいと、Nagaちゃん、EOCが下品だなんて、本当のことをはっきり言わないでくれたまえ。いくら親友とはいえ、もう、照れるなあ?

「いやなに、キタノさん、来たよ。4月のEOCが延期になったから来れたんだ」
 と、おとうは少しはにかみながら笑っておられた。

 でもね、筆者は、おとうに参戦いただいて素直に嬉しかったです。
   おとうたちとビールをがんがん飲んでいるとさらに、
「日帰りだけど鶏2羽持って来ました」
 千葉のくっしーさんがやってきた。
 くっしーさんは、明日、自治会の会合があるから、泊まりは無理とのこと。

 素敵なお連れさんと一緒にダッチオーブンでスタッフドチキンを焼くために世界最速マシンで楢葉まで駆けつけてくれたそうだ。なんていい人なのだろう。筆者は友人に恵まれ過ぎている(TT) 
 





 翌朝の光景なのですが、テントが一列縦隊に見事につらなりました。

 さて、EOC料理の数々(ほんの一部ですが)をご披露いたしましょう。 
   hirokiさんご夫妻のローストビーフと、おとうのマリネ。キャンプで、これを食べれるのです。
 くっしーさんのスタッフドチキン。まさにキャンプでの至高のミスマッチ。   
   サトさんからは、タコの天婦羅。本当に美味しかった。EOCで天婦羅が登場したのは、2006年の北海道の美流渡以来でした。あの時のユウコさんの天婦羅も絶品でした。
 筆者提供のメヒカリの塩焼き。いわき名物です。ただし、焼いていたのは、いちさんでしたけど。あと、一箱で購入してしまったので、膨大な量になっちまいました。  
   Nagaさんのガーリックトーストやナン。画像に撮りもらしましたが、macさんが腕をふるわれたポークビーンズ。ミッキくんの焼きとりや自家製酒。ローホーさんのホルモンや生野菜。おとうのいちご等々。

 もう、挙げたらキリがございません。そのぐらいのご馳走の数々・・・
 まさに酒池肉林だぜよ!

 これは、キャンプというより、パーティ状態と申し上げた方が適切でしょう。

 永久ライダー・オフ・キャンプ、つまり山賊のようなEOCの時代は終わった。もはや、EOP(永久ライダー・オフ・パーティ)の様相へと変貌を遂げつつある。

 コンパニオン呼べ・・・

 みたいな感じだけど、楽しすぎるし、腹いっぱいでござんす。

 真っ暗になった頃、くっしーさんとお連れさんは帰還されるそうだ。筆者も微力ながら、お手伝いした。
『スタッフドチキン、ご馳走さま。無理をしないで、ゆっくりと還るんだよ』
「わかりました。休み休み帰ります」
 くっしーさん、お連れさん、次回は泊まりでおいでねと言いながら2機のマシンのテールランプが見えなくなるまで手をふった。
 ふと気づくとすべての料理を出し終えたNagaさんは、奥さんの名前を叫びつつ、いつの間にか撃沈していた。

 すっかり、介護ライダーとなった筆者は、椅子の上に彼を寝かした。
 
 今、何時だろう?よく考えてみれば14時前から飲みっ放しだった気がする。つまり8時間飲み通しか?

 恐るべしっ、EOC!

 さらに飲み会はヒートアップしていく。

「キタノさん、俺を避けてないで、こっちへ戻ってこい」
 macさんとMSRについて熱く語り合っていた、おとうが筆者をお呼びだが、一応、EOCなので、満遍なく参戦者の皆様とお話しておきたいため、暫しお待ちいただく。

 初参戦のたむりんさんは、相当、キャンプツーリングをされているそうだ。仙台のサトさんは、筆者の世代より上の方らしいが、天婦羅の腕前はお見事。

 この辺から、筆者の記憶は消えていくのだが、向かいのファミキャンに気遣い、場所をやや移して宴は続く。

 そして深夜、やっぱり、北のサムライは、いちさんのテントで爆睡していたようだが、後刻復活し、慌ててR−325へ駆け戻ったみたい?

 夜のしじまの福島県楢葉の天神岬には、ど〜んという波の音が何事もなかったようにコダマしていただけであった。


 昨夜は、よく寝た。まさに爆睡状態だったのだが、6時にはしっかりと眼が覚めた。既にテントの外では動き出している方々もおられる。

『おはようございます』
 と、元気に外へ出るも霧が立ち込めていた。真っ白で、視界がとても悪い中、皆さん、次々と起き出してこられた。

 あ、そうそう、昨夜、筆者はカニ汁を仕込んでいたんだっけ。五徳コンロで加熱しながら、夕べの残りの大根を加え、味噌で味をつけた。

 しかし、なにか一味足りない気がする。そうか、日本酒を加えれば味に深みが出ると思ったのだがポン酒は品切れだった。焼酎なら残りがあったので、ドバッと加えた。アルコール分は沸騰すれば一瞬で消えるのだが、カニ汁が焼酎臭い。
   皆さんにお配りしたら、焼酎のお湯割りのカニ味のようだと、不興を買ってしまった。
 この時点で、起きてない人は、ミッキくんといちさんだけだったと思う。朝の弱いいちさんは、おそらくテントの中で、もぞもぞ状態だということはいつものことなので想像がつく。しかし、ミッキが遅いのは変だ。

『おーい、ミッキ!』
 と呼ぶと彼はテントから這いつくばるように出てきた。どうやら二日酔いらしい。カニ汁を勧めたら、焼酎の臭いで、さらに気分を悪くさせてしまったようだ。大丈夫か、尾張までは遠いぜよ。

 夕べ早くに撃沈したNagaさんは、まるで何事もなかったようなすっきりとした表情で、トーストを焼いていた。おとうもコーヒーを入れていた。おとうのモーニングコーヒーの美味さは、筆者が知る限り、どのオフキャンでも好評であった。さらにhirokiさんからは、デザートのイチゴを提供いただく。

 カニ汁、トースト、珈琲、デザートのストロベリー、1泊2食つきの豪華EOCとなった。キャンプで、これほど、贅沢な朝食をいただけるなど至福のことである。まさにEOCのよさは料理のよさ。屋外料理の上手な方が、本当に多い。

 昨夜、日帰りした千葉のくっしーさんは、数年前にEOCでキャンプツーリングデビューを果たした。ところが、初回からマシンへダッチオーブン鍋を積載し、鶏の丸焼きを披露して、参戦者の度肝を抜く達人ぶりを発揮していた。

 ようやく起きてきたいちさんが食事を済ませる頃、一気に撤収タイムとなった。天気は下り坂なので、関東方面(ほとんどですが)の皆様は特に急いで片づけている。就中、いちさんの撤収の速さよ。電光石火の早業で、あっという間にパッキングまで、完了してしまった。

 お見事・・・

 ミッキくんの二日酔いもどうにか収まってきたようだ。名古屋までは、とてつもなく遠い。彼もエリミへパッキングを済ませ、皆さんとほぼ同時に旅立っていく。

 なんだか出遅れてしまった筆者は、おとうを見送る。あれ、いつもと順序が逆でした。おとうに見送っていただいてばかりだったのに。

 でも、それでいいんです。EOCという所属を問わない自由なオフキャンの主宰者(リーダーシップなどないが一応)はキタノなんだから。

 おとうの後ろ姿を見えなくなるまで、手を振った。

 そして、とうとう筆者ひとりが天神岬へ残った。太平洋を見つめながら、煙草をふかし少し休む。山行はするけど、本当は海が大好きなんぜよと北のサムライが独りごちていたそうな。

 俺も行くか!

 来週末も再来週末も出張で休日返上だけど、なんだかEOCでパワーを頂戴した気がします。

 霧に霞む磐越道を北のサムライが勇躍と駆け抜けていった。



FIN



記事 北野一機



2010.7.6UP



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 追記

 関東では既に雨になっていたそうです。

 一番遠くから駆けつけてくれたミッキくんは、途中、macさん宅で休んだ後、深夜未明に名古屋まで無事辿りつきました。

 またBBS等へ、ほぼ全員の方から無事帰還の報告を頂戴できました。

 北海道で数名規模で産声をあげたEOCなのですが、以来7年・・・

 会の後で事故の報告があったことは皆無です。この事実が現在までEOCを存続させた最大の要因であると確信しております。

 まさに無事に還ってこそのEOC。