北海道ツーリング2005後編




またもEOCで撃沈しテントに強制収用される北野の図







 俺はマオイオートランドで安らかに寝坊した。

 周囲のファミキャンサイトの皆さんは、美味しそうな匂いをたてながら朝食をとっている。そんな光景を寝ぼけ眼で眺めていた。テントを横に倒し、天日乾しをした。

 俺も飯にするか。今朝は、いや今朝も手抜きでご飯の上に中華丼をぶっかけて胃に流し込むが、あまり食欲がない。

 食器洗いを済ませ、撤収作業をダラダラと開始した。日が高くなり気温が急上昇。まさに汗が滝のように流れ出した。そしてマシンを入口付近から、ゆっくりと暖機しながら操縦し、テント脇へ停める。念入りにパッキングを済ませ出撃。

 周囲の人たちはバイクが珍しいのか俺の方をずっと見つめている。そんなに見ないでよ。恥ずかしくてとろけちまうぜ。なんだか知らないが照れまくりながら出撃。

 ゲートを右折するとすぐに長沼温泉が見えてくる。ほう、これはなかなか見事な温泉施設だ。広々として宿泊も可能らしい。従業員の接客態度も洗練されていて申し分ない。

 昨日、キャンプ場でもらった入浴券を渡し、内部へ潜入。入口から結構奥まったところに浴室があった。さっそく服を脱ぎ、温泉へ浸かるが、実にいい湯だ。もちろん露天風呂もあり。こんなに連日、素晴らしい温泉へ入ったら健康になっちゃいそう。

 ふにゃふにゃになりながら、長沼温泉を出た。

 さて今日は鬼もはだしで逃げ出すという、驚愕の宴「EOC」の決行日だ。ここから、まっすぐ会場の栗沢町の美流渡温泉錦園へ向かった方が近いのだろうが、まずは夕張の快速旅団へ顔を出してからにしよう。

 ところが「夕張橋」のあたりから大渋滞。すり抜けを駆使しながら前進する。途中、KSRを駆るライダーさんを軽くかわして先へ進む。お先に失礼。しかし、この渋滞は夕張駅前の快速旅団前まで続いていた。団長Gen氏によると、石炭の歴史村でヒーローショーがあり、大変な混み具合になっていたらしい。夕べの道央自動車道近くで見た「夕張方面大渋滞」の電光掲示板もこの影響もあったのか。

「お久しぶりです」
 まず目があった幹事長さんに挨拶をしながら中へ入った。そしてGenさんや幹事長さんと極寒仕様のシュラフの話をしていると先ほどのKSR氏が入って来た。これは奇遇。
『さっきはどうも』
 と挨拶するとKSR氏が
「トップケースに張られた永久ライダーのステッカーを見てもしや?と思いましたが、やはり北野さんでしたか。ホームページ見てますよ。思ったより普通の方ですね」
 KSR氏はGenさんと同郷で岡山からいらっしゃった、お宮さんという温厚そうな紳士でした。 
 新メニューのお好み焼き丼を美味しく食べながら、お宮さんたちと歓談した。

 しかし、新メニュー「お好み焼き丼」、これは美味しい。スプーンを素早く動かしながらバクバク食べた。

 お宮さんは、今夜、「道楽館」へ宿泊されるそうだ。ダッチオーブン料理を楽しんでください。俺も最終日の明日には向かうつもりだ。
 Genさんが団長日誌に掲載すべく画像撮影も兼ねて見送りにいく。

 そして、また世間話をして盛り上がっていると「なにわのコマンダーさん」登場。なんとオフロードパンツを穿いている。シューズは登山靴、俺と同じだ。
『コ、コマンダーさん、バイク、変えたんですか?スティやんは?』
 俺は驚きながら質問した。
「いや、おんなじですよ。それより、北野はん、美味そうなの食べてはんなあ。わいもそれ食べます」
 コマンダーさんも躊躇いなくお好み焼き丼をオーダーした。

「北野はん、知床岬はどないでした」
 もぐもぐと食べながらモンゴルツーリングのスペシャリストは訊ねてくる。
『それはもう、シンドカッタでっせ〜』
 なんて俺は関西弁を使わなかったけど。コマンダーさんは昨年の第1次知床探検隊のリーダーである。やはり心配してくれていたらしい。

 幹事長さんが、
「知床岬って遊歩道とかついているものかと思っていましたよ」
 と穏やかに笑っていた。
「あんなとこに道などありまへんがな」
 コマンダーさんも苦笑しながら答えていた。本当に楽しいひと時である。

 なんて騒いでいると
「こんにちは、Makishoです」
 東京のMakishoさんは、うちのサイトをよくご覧になられているという有難いお方だ。今回のEOCへも早々と参戦を表明していただいた。

『これは初めまして。北野です』
 俺も挨拶を返した。

 Makisyoさんは礼儀正しい好青年である。

 そしてトランザルプが・・・

 AOさんだ。

『今夜の役者が続々と揃って来ましたな』
 と俺が呟いているとコマンダーさんは吹き出していた。

「AOさんですか。北野さんのホームページで、よく拝見しています。今夜のEOCは、よろしくお願いします」
 MakishoさんはAOさんにも実に丁寧な挨拶をしていた。AOさんも、彼の礼儀正しさにドギマギしていた模様。

 さて、俺は一足先に美流渡温泉錦園へ向かうとするか。会場に直行している方も居るかも知れないので。

 皆さんへ挨拶し、お先に出撃する。

 あれ?今宵は「EOC2005」の全貌を明らかにしようと思っていたのだが、展開的にここで締めた方が区切りがいい。

 読者の皆様、本当にすいません。

 EOC2005について詳しく語るのは、また次章以降へさせていただきます。

 狂喜乱舞、空前絶後・・・

 って、毎年描いてますが、俺だけは確実にヨッパライダーになりました。

 しかし、記憶がないまま、どうやってUPしよう(汗) 




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