ふられ気分で・・・







2009年5月22日 相馬市松川浦に海の幸を食べにいった記録



 なんだかだるくて、やる気のない5月2日土曜の休日だが、ゼファーで出かけてみるか。というわけで、時間的に少し遅いながらもマシンへ跨り、相馬方面へと向かった。

 阿武隈高原をひた走る。途中、妻が生まれ育った町を駆け抜けたが、なんだか閑散としていた。かつては養蚕の町として賑わったのだが、海外へ生産拠点を移したことによる産業の空洞化の波をもろに受けたようだ。

 霊山あたりでは新緑の光景が眩しかった。俺は桜の季節よりも、鮮やかな萌芽の雰囲気の方が、ずっと好きだ。

 相馬市内へと入る。この街も人通りがない。商店街の半分ぐらいはシャッターをおろしていた。

 松川浦のいつもの店で、キンキの塩焼きと岩牡蠣をオーダーする。さすがに観光地らしく混雑していて1時間ぐらいは待ってと、従業員のオバサンから指示された。
 ようやく登場したキンメは、冷たくなっていて少しがっくりきたが、それでも脂が乗っていて美味しかった。というより、お魚とあさり汁で腹一杯。
 そして、トドメの岩牡蠣の大きさにびっくり仰天してしまう。確かに美味しいが、規格外のサイズだった。

 もう、思う存分に食べた。夕食もいらないぐらいと思ったことは、妻には内緒だ。
 もう、思う存分に食べた。夕食もいらないぐらいと思ったことは、妻には内緒だ。

 店から出ると、やや気持ち悪くなってしまう。もう、当分、魚介類は食べなくてもぜんぜん平気だ。

 帰りがけに某有名な喫茶店で、コーヒーを飲んでいると、トムキャットの「ふられ気分でロックンロール」が有線から流れてきた。この青春時代に聴きまくった曲を久々に耳にすると、込みあげるほど感動してしまった。そして自分も既に老いたなあとしみじみと実感するなり。

 ”最後の最後まで貫いてみせて、あなたが選んだ恋なら♪”

 ゼファーイレブンは快調に阿武隈高原を疾走していく。

 Don't stop,Don't stop the music

 粋なナンバー聞かせてもっと・・・

 自宅に辿り着くまで、エンドレスに耳元へこだましていた。



FIN



記事 北野一機



2010.8.26編集



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