海に会いたかった







2010.5.16



 安達太良山行の帰りに立ち寄った”岳の湯”の硫黄の臭いが、今朝、シャワーを浴びても抜けきらない。妻が硫黄臭いって、また騒いでいた。恐るべし岳の源泉。

 さて、昨日は山登りしたわけだが、好天の本日は海が見たい。というわけで、愛機で阿武隈高原を越えて古巣の南相馬市までひとっ走りすることにした。

 福島市内は24℃ぐらいあり、絶好のツーリング日和となった。ところが浜通り側に入ると肌寒い。16℃ぐらい?夏用JKTなので、ぶるぶると震えながら南相馬入りした。               







 まずはラーメンを食べて暖まろう。人気のラーメン専門店”双葉食堂”で、もやしラーメンをオーダーした。

「もやしラーメンは辛いよう。いいの?」
 店のオバサンに訊かれたが承知の上だ。過去に何度も食べてるし。

 久々に食べた双葉食堂のもやしラーメンの味は辛口で絶品でした。

「お客さん、どこかで見たことある気がするけど」
 オバサンは筆者の顔をしげしげと眺めていた。

『8年ぐらい前まで、この近くに住んでいました』
「まあ、通りで。今、どこなの?」
『福島市内です』
「オートバイで来たの。若いわねえ〜」
『また来ます』
 なんて会話をして店を出た。

 その頃、よく行っていた近くの海に会いにいきました。ここから10分ぐらいだ。すぐ手前に小さな無料キャンプ場があり、何度も利用したことがあった。そういえばヨッシーと、北海道ツーリング前の足慣らしキャンプをした記憶がある。







 いやあ〜、お懐かしい。ジ〜ンとくるものがあった。海っていい。個人的な諸事情がなければ、このあたりに定住するつもりだった。

 福島県南相馬市、なんにもないって悪口言われるけど、海があるじゃないか。福島市に越してきたばかりの頃は海が近くにないので息苦しくて大変でした。

 なんて、遠き落日をかみしめながら機首を返した。

 帰路、本当になにもない、ただの山道であるR114沿いの新緑がとても綺麗だったので1枚画像を撮った。ただ、このあたりは山菜やキノコの宝庫であり、すぐ横の清冽な渓流にはイワナやヤマメたちが生息している。高級キノコのマツタケポイントもあったりした。

 なにもないも角度を少し変えると、なにも知らないの意になるやもしれない。

 事実、昔、筆者は亡き義父と、このあたりで盛んにキノコとりや渓流釣りをしていた。



FIN



記事 北野一機



 2010.8.20編集



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