世に棲む日々





(永久ライダー危機一髪列伝)
2000.5.30 UP


何で生きてるの?


幼少の変

第1話 魔法瓶

 昔は、ポットのことを「魔法瓶」と云った。僕がヨチヨチ歩きの赤ん坊だった頃、たどたどしい歩き方で魔法瓶にぶつかってしまい、ひっくり返した。畳の上は、ナイロンカーペット。熱湯の上に転倒。悲惨!全身大火傷を負う。救急車デビューを果たし、即入院。

 2週間、40度以上の高熱が続き、医者も半ばサジを投げかけていたが、何とか持ち直した。もうろうとする意識の中で、おもちゃのピストルで「バ〜ン、バ〜ン」と言いながら遊んでいたそうである。

 この高熱で、東大からキャリア組という僕の計画は、大きく崩れてしまったようだ。今でも腹部に火傷の後が残っている。

第2話 庭石

 実家の庭に池がある。子供の僕が池に落ちないように手すり(竹棒)で囲まれていた。

 その手すりにぶらさがっているうちに「ズリッ」、頭から前方に落ちた。真下にとがった庭石が・・・おでこに直撃、血まみれになった。

 今でも額の一角にポツンとクレーターが残っている。

第3話 パラコート

 あれは、オロナミンCが新発売の頃だった。祖母が縁側にオロナミンCの空き瓶に詰めた農薬(パラコート)を出したままにしておいた。何も知らないヨチヨチ歩きの僕は、オロナミンCを発見し、迷わず一気のみをし、バタンキュー。ゲバー署長(出入りの大工さん)が発見し、帯で背負ってバイクで病院直行。あわれ口から胃にパイプを通され胃を洗浄。発見と処置が早かったので九死に一生を得た。普通なら2度死んでいるそうである。

 ありがとう※ゲバー署長とそのバイク。僕がオートバイを好きになった、きっかけでもであった

※ゲバー署長とは遥か後年についた渾名です。僕が小学校高学年か中学生の頃テレビで放映された「猿の軍団」というドラマのチンパンジー軍団の悪役「ゲバー署長」に酷似していることからこの渾名がついた。

第4話 海水浴

 5歳くらいの頃だった。家族で海水浴に行った。父は高校の頃、水泳でインターハイベスト8に入ったのが自慢で、海でもかなり沖の方まで泳いで行く。戻ってくると今度は僕を背負って沖に連れて行くのが、いつものパターンだ。

 ところが、その日は、やや海が荒れていて波が高かった。それでも僕を背負って沖の方に向かった。「ザブ〜ン」波の直撃をを受け、父の背からツルッと滑り落ち、波にのまれた。海岸で見ていた母と祖母は焦りまくったようだ。

 その頃、僕の体は海中をクルクル旋回していた。あまりのショックから子供心にもかえって落ち着いてしまい、「俺も終わったな」と感じていた。

 こういう場合、一瞬、必ず浮き上がるらしい。それを父が見つけ無事救出。

 以来、トラウマとなり、水に入るのを拒否する体質がしばらく抜けなかった。

第5話 自転車

 小学校低学年の頃だった。覚え立ての自転車を乗り回して遊んでいた。当時、下り道を思いっきり加速して河川の堤防の前で急停止する遊びが流行っていた。堤防の高さは、7,8メートルはある。

 もちろん僕もチャレンジ、フル加速して急ブレーキ・・・あれ〜ブレーキがきかない(チャリが古いからだろう)。悲惨!堤防から大ジャンプ。目撃者の話だと夕陽の中に私の体が「グリコのマーク」になって消えていったそうである。

 地面に叩きつけられ、おそらく気絶していたのであろう。気がついたらゲバー署長が僕の顔を覗きこんで「生きていた」と言っていた。またもゲバー署長に助けられたのか。ありがとう。奇跡的に軽い打撲程度で済んだ。



オートバイの変

第1話 虫

 オートバイの免許を取り立ての頃、ぶらぶらとGS400を乗っていたら目に虫が・・・ちょっと目を押さえて下を向いていたら縁石に激突、体が空に舞い上がった。ちょうどバックドロップをくらった状態で路面に叩きつけられた。やはり虫の知らせだったのか。^^;(つづく)

第2話ミイラ男

 翌日、全身に包帯を巻いた状態で柔道の団体戦に出場し、大過なく大将の役割を果たした。その日の帰り、代車のMB50で勢いよく会場から下り坂に向け加速・・・が下り坂ではなく、急な階段だった。仮面ライダーのサイクロン号の如く大ジャンプ!!!マシン大破。頭はたんこぶだらけ。それでも次の日の個人戦に出場して、ベスト8まで進んだ。そして「ミイラ男」、「超人ハルク」の異名をとった。ちなみに僕の得意技は、「ジャーマン・スープレックス・ホールド・・・」。

第3話 ダイハード

 あれは東北自動車道が全線開通していない時代だった。青森からCBXで帰宅する途中、滝根インター(盛岡の手前)から東北自動車道に乗った。しばらく走り、何となく胸騒ぎがしたのでSAに入って休もうと思い、ウィンカーをあげ左折した瞬間、反対車線の大型トラックが中央分離帯を突破して突っ込んでくるではないか。しかも間もなく炎上。左折しなければ事故に巻き込まれていたであろう。ちなみにトラック運転手の居眠り運転が事故の原因だったらしい。

第4話 正面衝突

 大学に入学し、最初のGWの話しだ。CBXで帰省し、峠を走りに行った。快調にコーナーをローリングして、角度のある右コーナーをバンクしながら回っていると、反対車線からRZがセンターラインをはみ出して突っ込んで来るではないか。僕はフルバンク中でほとんど身動きがとれず正面衝突、体が前方に10メートルほどふっ飛ばされたが、見事に前回り受け身を決めて虎口を脱した。でも対向車が来てればアウト、まさに危機一髪。革ジャンには路面を体ごとスリップした擦り切れ後が今も生々しく残っている。

 RZの男は、右足がバイクの下敷きになり倒れていた。バイクから足を抜いてやると足が反対向きになっているではないか。ゾ〜。とりあえず通りがかりの人に救急車を呼んでもらった。CBXのエンジンは割れており、オイルがこぼれている。廃車だ。彼のRZも・・・

 彼は、この春高校を出て就職したばかりの青年だ。右足と肋骨の骨折で長期入院。もちろん仕事はパー。完全に彼が悪いし、CBXまで廃車にされたけど、気の毒になる。「武士の情け」で、僕の自賠責保険を使ってもらった。

 結局、全面的に相手側の過失ということになり、対物保険が満額おりた。それで何と彼と同じRZを購入(だって一度ツーサイクルに乗ってみたかったのだもん)


第5話 走行中ハチに刺された その1

 北海道の利尻島で快適なライディングを楽しんでいた。が・・・首筋から蜂が侵入して来た。「アチチ、スゲェ、イテェ〜」ここで取り乱しては大事故のもと、必死に耐えながら蜂を押しつぶした。何箇所か刺され激痛をこらえながら走行する。「俺の生きざまを見てくれ〜」北海道ツーリング1999より

第6話 走行中ハチに刺された その2

 北海道のサロベツ原野の絶景にひたりきりながら走行している時、首筋からまたハチが入って来た。「アチチチ・・・ファアー!」あちこち刺されている。僕は慌てて手をぶらぶらさせながらTシャツをめくって格闘した。後で僕の胸から腹にかけての刺され傷を(利尻島での分を含めて)確認するとケンシロウのように北斗七星の形になって腫れあがっていた。おのれ〜シンめぇ〜。違ったハチめぇ〜。(北海道ツーリング1999より)

第7話 走行中ハチに刺された その3

 僕は北海道のオホーツク国道(浜猿払)を南下していた。そして悲劇は雄武町手前で起こった。「ウォ〜、アチチチ・・・」。半袖軍用ジャケットの左側の袖にスズメバチがとまり、左腕上部の内側(弱い部分)を思いっきり刺した。慌てて右手で払ったが完全に刺された。釘でえぐられたような激痛が走る。バイクを停車して持参していたウナクールを塗ったが痛みが治まらない。何で毎年、こんな目に遭うの?(北海道ツーリング2000より)

第8話 キンムトーの惨劇!(僕の旅の最大の事件です)

 キンムトーの惨劇

 ↑こちらをご覧ください。

●最後にオートバイは、決して安全な乗り物ではない。フレームなしの世界を楽しめるリスクは大きい。だから魅了されるんだろうけど。とにかく事故にはくれぐれも注意していただきたい!



旅人キタノより







※このコンテンツだけは更新したくないものだ。